人工衛星でカメを追え! 第一回ウミガメ・レース

[サンノゼ (コスタリカ) 28日 ロイター] ビリーという名のオサガメが、第一回ウミガメ・レースで優勝した。このカメはコスタリカからガラパゴス諸島までを時速5〜6キロで泳いだ。

タグを付けた11匹のカメを衛星技術で追跡した結果、ビリーは他の群れを引き離して一着になった。2匹はスタートラインを越すのに失敗し、別のカメ、パープル・ライトニングはコースから何マイルも逸れてしまった。

およそ60万人が2週間にわたる太平洋マラソンを観戦するため、ウェブサイト(www.greatturtlerace.com) にアクセスした。このレースは、過去20年間に95%も減っているこの種のカメへの関心を高める目的で開催された。

レースを共同開催したコンサベーション・インターナショナルの広報担当者リサ・ベイリーさんによれば、コーヒーテーブルぐらいの大きさのカメたちは、恐竜の時代からいると言われているが、誤って漁船に捕らえられたり沿岸開発のため生息環境を失ったりして、絶滅の危機にさらされているそうだ。

主な営巣地である北コスタリカのプラヤ・グランデでも、1989年に産卵にあらわれたカメは1500匹いたが、今年はたったの50匹だったと彼女は言う。

500マイル (805キロ) のレースは、昨年2月にタグを付けられて放されたカメの軌跡を追う、仮想空間でのリプレイだ。

スポンサーは亀を支援するために2万5000ドルを支払い、そのうち1万ドルは衛星追跡タグのために使われた。収益の一部は営巣地の土地を買い、開発者から守るのに利用されるそうだ。

優勝したビリーはカリフォルニア州オーシャンサイドのビルフィッシュ (くちばしや鼻部が突き出た魚類) 研究オフィールド・センターの支援を受けていた。準優勝はステファニー・コルバートル。コメディアンのスティーブン・コルベアにちなんだ名前で、このカメの様子はコメディ専門TVチャンネル「コメディ・セントラル」のコルベアの番組でレポートされていた。
べイリーは、レースで収集された情報は科学的な目的を持っていると語った。 「人目を引こうとしているだけではありません」と、彼女は言った。


[ 2007年05月01日 06時16分 ] excite ニュース

4月19日にお伝えした記事の続報です。ついに情報化社会もここまで来ました。
地球レベルでの野生の営みを賭けレースの対象にするとは。いろいろ考えさせられるニュースです。


人が壊してきた地球の自然を守るためには、ここまでして人の関心を集め、お金を得ないといけないのか。地球環境保護は、こんなような人の監視のもとで行われないと行けないのか。
確かに賛否両論あるテーマだと思います。
賭けの参加者には、自然環境保護ということには別に全く興味のない人たちもいるのだろうし。どこかにかならず、「レース運営」というような視点が入ってしまうだろうし。スポンサーがついているということも、なんだか変な感じがするし。


とはいいながら、ウミガメの回遊から海や海岸の環境保護という関心を引くという点では、かなりのナイスアイデアだとも思います。
レースのホームページは確かに面白い。(一度ご覧あれ)
グレートタートルレース ホームページ


将来、このようなレースをしなくても済むことを目標にレースが続けられればいいのかな。

んっ?  矛盾・・・


ちなみに1位だったビリーは掛け率は8倍、2位だったステファニー・コルバートルは掛け率6倍でした。